先輩教えて! 海外留学や国内グローバル大受験に活かせる「課外活動」って何してた? Vol.3
海外大入試で意外と重要な「課外活動」。実際に進学を果たした先輩たちが、高校でどんな活動に取り組んでいたか紹介した前回に続き、大学入試での課外活動の活用についてお聞きします。それぞれが自分の興味関心や情熱に沿ってコツコツと続けてきた課外活動ですが、いざ大学入試ではどのように活かされたのでしょうか。
高校の課外活動、海外大入試にどう活かした?“すごい実績”がなくてもアピールできる?
今回の「ラボ協力隊」
Kei T.先輩
トロント大学 1年生。高校1年生の夏休みにカナダの大学のサマースクールに参加した際、多様性や議論が多くある授業スタイルとの相性の良さを感じ、海外進学を視野に入れるように。高校卒業後は国内大学に在籍し7割対面で授業に参加、2021年9月からカナダへ。現在はアート&サイエンスを専攻。
Yuki Y.先輩
バックネル大学 1年生。カナダに3年間住んだ経験があり、帰国後に英語力アップの必要性を感じて留学制度のある高校へ進学。学ぶ学問を確定せずに進学できる点、ダブルメジャーや専攻の変更など柔軟にできる点を魅力に感じ、アメリカのリベラルアーツ大学を選択した。
Mei T.先輩
ニューヨーク大学 1年生。興味や好きなことにエネルギーを徹底的に注ぎ込むタイプで、中高時代は課外活動として英語劇、バスケ部、留学生のサポートなど精力的に取り組んだ。特に英語劇の経験は大学での学びにつながる軸となり、現在は演劇教育を専攻している。
Saki N.先輩
デポー大学 1年生。中学に入って学び始めた英語は、当時教わった英語の先生がきっかけで一番好きな科目に。中学2年生から海外大進学を考え始める。3歳からピアノを続けており、大学では音楽と英語学をダブル専攻予定。
課外活動の大学入試活用
Q:高校時代に続けていた課外活動、大学入試でどう生かした?
Kei T.先輩
複数分野の課外活動を記入して、バランス感ある人物像を表現しました!
出願にあたり大学に提出しなくてはならない課外活動に関するショートエッセイに、活動の内容と成果をまとめて書きました。1つの活動内容に対する字数制限がとても厳しく、何をしたか、どんな役割を果たしたか、どんな成果を出したか、または、なぜ自分にとって大事な活動だったのか…など書いたら字数いっぱい。活動を通して学んだ内容を深く書くことはできませんでした。
ただ、複数の課外活動を書く欄があったため、スポーツ・芸術・学問などマルチタレント感を演出することができたと思います。中高時代ずっと続けてきて副将も担った水泳部での活動や、学校の総合研究の時間を活用して取り組んだ町おこしのプロジェクトのプロセスや成果などを伝えました。
Yuki Y.先輩
見栄えよりも、自分が誇れる活動!将来のビジョンと絡めて説得力を高めました。
海外大と国内大を併願しましたが、課外活動はどちらの入試にも活きました。海外大に関しては、アメリカの大学出願のコモンアプリケーション(Common Application=各大学の出願において共通願書として使用できるオンラインシステム)や奨学金の申請に、国内大はAO入試の出願において課外活動を活用しました。
実際に受験して進学もした早稲田大学国際教養学部のAO入試では、出願書類に課外活動を記載する欄があったので、模擬国連やインターン、カナダ留学など、活動の中でも個人的に誇れるものを選んで書きました。志望理由書となるエッセイには、見栄えの良い課外活動というよりは、自分が熱意をもって取り組んだものを将来のビジョンと絡ませて表現しました。
アメリカの大学入試への活用についても、国内大とほとんど同じです。活動の多くは課外活動の記入欄に書き、自分自身がどういう人間かを伝えるコモンアプリケーションのジェネラルエッセイに情熱を注いでいた課外活動をさりげなく取り入れました。
Mei T.先輩
志願理由、アイデンティティとしても不可欠だった演劇の活動をアピール!
私はアメリカの演劇系の学部志願だったので、自分自身を表すものとして演劇の要素が欲しかったものの、課外活動全体のアピールとしてはアメリカの学生に比べて弱いのではと怯むこともありました。とはいえ、やはり私を形作っているのは演劇。入試においても、ひたすら演劇の活動をアピールしました。
出願書類には課外活動について10個書くことができましたが、やはり最初にあるものから見られます。一番自分が時間を費やしたもの、自分にとって大切だった演劇の活動から順に並べていきました。
また、自身を表すパーソナルエッセイにも自分が学んだことをどう演劇に活かしたかを書くことで、自分にとって演劇が大切なものであることを大学側に伝えました。いくつかの学校には実際に私の演技をしている動画を提出しなくてはならなかったので、自分の日本人としてのアイデンティティと演劇の要素を含んだ英語落語を演じたときの動画を出しました。
もし課外活動に関して賞やリーダーなどの役割を持っている場合は、やはりそれを書くのが一番シンプルで伝わりやすいとは思います。私の場合は、賞をとったものは課外活動の欄ではなく、出願書類の中に別にあった受賞歴の欄に書きました。こうすることで課外活動の欄に自分がしたことをより多く書けるからです。
ただ、自分がアピールしたかった演劇系では賞を取ったことはありませんでした。その分、公演の実績やリーダー経験などについてしっかり書き込みました。
Saki N.先輩
やってきた活動の成果を、限られた枠の中で効果的に伝える表現を練りました!
私は、一目で“すごい”と思われるような、わかりやすく目立った成績を残した課外活動というのはなかったです。コロナの影響もあって思うように課外活動に取り組めなかったり、成果があげられなかったりする中で「今できることを真剣に取り組もう」と切り替えました。
その気持ちは出願においても同じです。コモンアプリケーションの限られた記入欄の中で、課外活動でどのような成果をあげたのか、より効果的に表現する方法を練りました。
たとえば、私は中高で生徒会活動をして委員長も務めましたが、生徒会は多くの生徒が経験しています。なので、私は自分の生徒会活動において生み出した価値をアピールする上で、年に数回行われる生徒会アンケートの結果をもとに、生徒会満足度が上がったことを具体的な数字をもって証明しました。
また受賞歴として出せるのは習字大会のみでしたが、どれだけの母数で金賞になったのかを示し、その受賞に付加価値をプラス。読み手であるアドミッションオフィサーに、自身のやってきたことや成果がよりわかりやすく伝わるように工夫しました。
いかがでしたか?
課外活動の内容をはじめ、その活動を選んだ理由、成果も人それぞれ。入試において受賞歴や活動の難易度ももちろんアピールになりますが、自分自身を代弁する願書やエッセイの中で誇りをもって表現できる活動であること、それをより効果的に伝えられることが大切なようです。
大学入試を意識しつつ様々な課外活動を行っていた先輩たちですが、ここまでのお話で活動自体が高校生活の充実や自己理解にもつながっている様子がうかがえました。次回は、海外大生になった今だから感じる「合否の影響」だけではない、高校の課外活動で得られた価値や役立ちについてお届けします。
【先輩教えて! 海外留学や国内グローバル大受験に活かせる「課外活動」って何してた?:シリーズ記事をチェック!】
Vol.1:海外大受験で課外活動の重要性を知ったきっかけは?
Vol.2:海外大受験に向けてどんな課外活動をした?コロナ禍の影響は?
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