【短期留学より長期留学派!の先輩に聞きました】海外大の学生として「入学→卒業する」メリット①
数か月の短期留学から4年制大への直接進学・編入まで、海外での学び方は様々。しかしコロナ禍で渡航のハードルが上がったり見通しを立てづらかったりで、本当は海外大進学にチャレンジしたくても長期留学をためらうのも自然なことです。そんな中、あえて海外大を選択した先輩たちは、外国で4年間学ぶ価値や、現地生と同様に入学から卒業まで「進学」する意味をどのように捉えていたのでしょうか。高校卒業後の半年間を国内大学で学び、カナダへ進学したKei T.先輩にお聞きします。
学びたい内容、学生時代にチャレンジしたいことを追求。自ずと海外大進学がベストアンサーに!
今回の「ラボ協力隊」
Kei T.先輩
トロント大学 1年生。高校1年生の夏休みにカナダの大学のサマースクールに参加した際、多様性や議論が多くある授業スタイルとの相性の良さを感じ、海外進学を視野に入れるように。高校卒業後は国内大学に在籍し7割対面で授業に参加、2021年9月からカナダへ。現在はアート&サイエンスを専攻。
Q:国内大ではなく、「海外大」を目指した理由やきっかけは?
多様な人々と触れ合い、より多面的に物事を見られるようになりたいと考えました。
私が海外大進学を意識し始めたのは、高校1年生の時に語学研修の目的で海外大のサマーキャンプに参加したのがきっかけです。私は英語力を上げたいと思って参加しましたが、他の生徒にとってはオープンキャンパスのような位置付けのイベントでした。
2週間のサマーキャンプの間、実際に大学の寮で暮らしながら、簡易版の大学の授業とアクティビティに参加しました。世界中から多様なバックグラウンドを持つ人が集まっていて、それまでに経験したことのない刺激をたくさん受けたという鮮烈な印象が今でも残っています。
ちょうどその頃、自分と似た背景の人々に囲まれて育ってきた自覚があり、とても心地よいと感じていた一方で「このままでいいのだろうか」「もっと広い世界を見なくてはならないのでは」という不安も感じていました。それだけに、海外大進学によって今まで自分と全くつながりのなかった文化的背景も全く異なる人々に触れることができ、より広い世界を知り、より多面的に物事を見ることができるようになるのではないかと考えました。
Q:短期留学や編入ではなく、長期留学となる「進学」を選んだ決め手は?
本当に学びたい学問、新しいコミュニティを作り出す経験を求めて海外大へ入学。
「多様な人々に触れて自分の世界を広げたい」というだけなら、短期留学でも良いのではないかと私も考えました。最終的には、自分がより学びたい内容を志望した海外大で学ぶことができそうだったこと、より学問面で自分を追い込むことができそうだと思ったことが一番の決め手となりました。
私は得意教科も好きな科目も文系、という根っからの文系の生徒。なのに、日本の大学では私の興味がある分野は理系学部に配属されていることがほとんどで、やりたい学びの前に受験が障壁になっていました。一方、海外大は受験や入学の段階では理系・文系を問わず、どちらの生徒も受け入れることが多いと知ったことで、海外大進学を視野に入れるようになりました。
また、自分がたまたま手にしてきた“温かい環境”は大学を卒業したら通用しなくなるだろう、社会に出る前に自分で一からコミュニティを作る経験をしないといけない、という焦燥感に後押しされたのもあります。そういった経験を得るには、ある程度じっくりと腰を据えて新しい土地に暮らし、学ぶ必要があると考えたので、自ずと長期留学がベストだと考えました。
ただ、私は自分のいる環境にすぐ愛着を持ってしまう人間です。もし海外大への進学予定なく日本の大学に入ったら短期留学以上のチャレンジはしなくなるだろうと、自分自身でわかっていました。なので、海外大の入学手続きを終わらせた上で国内大に進学し、約半年後の9月にカナダへ渡航して入学しました。
Q:実際に海外大へ進学して気づいたこと、良かったと感じることは?
想定していた大変さとは違うものの、自分を追い込む日々もひたすら楽しい!
いろんな意味で「海外大は大変」とよく聞きますが、その大変さは自分が思っていたものとは違いました!もしかするとカナダだけかもしれませんが、1年生の時に学ぶ科目の授業内容は、日本国内で同じレベルとみなされる大学の方が難易度は高いと思います。「こんなことからやるのか」と思ってしまうような科目もたくさんあります。ですが、一つ一つの課題やテストに求められる完成度は圧倒的にこちらの方が高いです。
予想はしていましたが、誰もがより良い成績を取ろうと必死だし、それが当たり前だと思っています。そんな環境で大事なのは、いかにコンセプトを早く理解して要領良くやるかではなく、いかに可処分時間をうまく使って全ての課題をこなすかというタイムマネジメント力でした。私は英語力が未熟なまま来てしまったせいもありますが、残念ながら人と議論している時間よりも、図書館で一人パソコンに向き合っている時間の方がまだまだ長いです(笑)。
部活に入り、毎週チームメイトと切磋琢磨しています。インターナショナル生で1年生は私だけです。
また、ひしひしと感じるのは「世の中の全員が国際交流に興味があるわけではない」ということ。文字にすると当たり前のことですが、意外と盲点ではないでしょうか。
「海外大に行きたい」「海外に興味がある」と思い、自分と同じように比較的オープンな価値観を持つコミュニティやイベントに参加していると、海外の環境に身を置けば自然と英語力も身につくし、世界も広がると錯覚してしまいがちです。もちろん、ある程度は達成できますし、私自身たくさん友達もできています。けれど、現地にいる大多数の人々は必ずしも同じ価値観ではないです。自分と近いバックグラウンドの人との方が話が合う、母言語が同じ人の方が一緒にいて楽、というのはごく当たり前のことなのだと日々痛感しています。
その点、短期的な交換留学だと、交換留学生同士で輪が広がったり、多少は学業面で余裕があるので交流に時間を割いたりしやすいように見えます。「より多様な価値観に触れたい」「英語のコミュニケーション力を上げたい」といった目的ならば、短期留学の方が良いのではないでしょうか。
ただ、長期留学している身としては、受験が終わってまで毎日自分を追い込んで勉強して、新しい人に出会う機会を作るべく毎日自分があがいていることには絶対に意味があると信じているし、とても楽しいです!
Q: 海外大で学びたいけど、コロナもまだ心配。進路を考える中高生へアドバイスをお願いします!
コロナの影響は渡航時くらい。問題なく学生生活は送れる、という前提で考えてみては。
私の実感としては、コロナ禍が留学生の大学生活に影響を与えているのは渡航の大変さくらいだと思います。私が渡航したときはコロナ対策のため飛行機から降りるのにも長時間かかり、入国審査など長蛇の列で空港に何時間も足止めされてクタクタに…。時期や国によって違うと思いますが、渡航時はある程度時間と労力がかかると想定しておくほうがよさそうです。
ちなみに、カナダでは誰でも予約を取ってすぐにワクチンを受けることができます(私は1月頭にブースター接種を受けられました)。大学やスーパーで手軽に無料の抗原検査キットをもらうこともできるので、むしろ日本よりもコロナ禍を過ごしやすいのではと感じます。
トロント大学は対面授業開始を早期に宣言しており、留学生のビザも大学の推奨する期限内に申請したらスムーズに発行されました。感染状況によってはオンライン授業に切り替えられるなど、大学側の対応もスムーズなので日常的に困ることはありません。
いかがでしたか?
全く異なる環境に飛び込み、新しく自分のコミュニティを作ろうと海外大で切磋琢磨するKei T.先輩。海外大での4年間という貴重な時間を最大限に活かそうと、あえて大変な状況に自分を追い込みながらも、今だからこそできる学びや経験を自ら選び取ってきた自信や充実感が伝わってくるようです。
次回は、アメリカ バックネル大学に通うYuki Y.先輩にうかがいます。
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