先輩はどうしてる? 海外の友人づくりとコミュニケーション④今できることを少しずつ、一生懸命に。
4回に渡り海外大での「友人づくり」についてお届けしてきました。いよいよ最終回、アメリカの名門アイビー・リーグのハーバード大学へ進学し、強豪アイスホッケー部で4年間プレーを続けるLunasa S.先輩の登場です。大学内でも日本人はごくわずか、さらに部活では唯一のアジア人という環境で、どのようにチームメイトや友達とコミュニケーションを重ねてきたのでしょうか。
今できることを少しずつ、一生懸命に。その積み重ねで心から信頼できる関係性を築けました!
今回の「ラボ協力隊」
Lunasa S.先輩
アメリカ ハーバード大学4年生、科学史専攻。全米準優勝4度、全米大会出場常連の名門アイスホッケー部に、初の日本人選手として所属。コロナ禍の影響を考慮して最終学年を前に1年間休学、9月から復学し現地で再び学び、プレーしている。
Q:海外大で初めての友達!どうやって仲良くなりましたか?
まず留学生同士で意気投合!同じ境遇の友達は貴重、できれば交流を続けて。
最初の友達は、留学生向けのオリエンテーションでできたと思います。あらかじめグループが分けられていたので、まずは同じグループに入った子と話すようになりました。いろいろな国から来た学生で、お互い留学生という共通点もあったせいか、あまり緊張せず気軽に話ができました。
その後、学期が始まると何かと忙しくて留学生向けの集まりにあまり顔を出せなくなり、交流が少なくなってしまったのが少し心残りです。可能ならば、そういう場に少しでも顔を出すことで、自分と同じような境遇の友達とつながり続けられると思います。
Q:友達づくりで苦労したことや、仲良くなるコツは?
初めは相談できる友達ができず。勇気を出して距離を縮められました!
授業と部活の練習でスケジュールが埋まってしまう毎日…、部活以外で友達がほとんどできませんでした。部活でも、直接部活に関係すること以外、そこまで気軽に話せる感じでもなかったです。なので、自分と同じような経験をしていたり、大変なことを共感できたりする友達があまりいなかったことは大変だったと思います。
1年生の後期に、初めてアメリカ人のチームメイトに悩みを相談することができました。それをきっかけに、ようやく自分の大変なことを話せる人ができて心が楽になりました。なかなか同じ境遇の人を見つけることができなくても、勇気を出して周りにいる人に自分の思っていることや感じていることを話せたことで、グッと距離が近付いたように感じます。
Q:友達づくりに役立った話しかけ方はありますか?
話しかけるのはまだ少し苦手。その分、話しかけられたら笑顔で答えます!
私は今でも初めての人との話題づくりに苦労します(笑)。なので、おすすめの話題や話し方がいまだにわからない…というのが正直なところです。
でも、わりと向こうから話しかけてくれることも多いので、話しかけられたことには笑顔で一生懸命答えるようにしています。そうすると、名前と出身などを覚えてくれていて、次に会った時も声をかけてくれたり、友達を紹介してくれたりと、そこから人脈が広がることもありました。
Q: 友達との会話に役立つおすすめ英語フレーズは?
気軽に誘いかける”Do you wanna〜”フレーズはマスト!
勉強や遊びに誘うフレーズは覚えておいて損はないです!あまり日本人にはなじみないかもしれませんが、”Do you wanna〜”は便利で、たとえば”Hey! Do you wanna go get ice cream sometime this week? (今週どこかでアイス食べに行かない?)”という感じに、ノリ良く誘うことができます。
他にも、”I’m studying in the library if you wanna join! (図書館で勉強してるからもしよかったら来てね)”とか、
“Anyone wanna go get sushi tonight? (今日の夜、お寿司食べに行きたい人?!)”といった感じでいろいろ使えます。グループチャットなどで呼びかけるときにもおすすめです!
友達と夜にデザートを食べに行くいつものカフェ。
いろんな友達をここに誘って、いろんな話をしてきました!(笑)
Q: 友達と話していて「海外ならでは」と思う話題は?
なじみのないバンドやスポーツ。興味がなくてもとりあえずついて行ってみるのも◎!
海外のアーティストや、アメフトなどアメリカのスポーツの話は、やっぱり海外ならではだなと思います。あまりなじみがなかったものばかりですが、友達との話をきっかけに知れたことがたくさんあります。
実際に、友達とアメリカのバンドのコンサートに行ったり、ボストンのプロスポーツを見に行ったりもしました。誘われるまま友達について行って、そこで初めて知ったり、私もよくそのバンドの音楽を聴くようになったり、新たな興味や好きなものが広がるきっかけになりました。はじめは興味がなくても、とりあえず”Yes”と言ってついていくことも時には大切かな、と思います。
逆に、余裕が少し出てきてからは、部活でロッカールームのスピーカーで日本の曲を流してみんなに聴かせたり、日本語を覚えてもらったりもしています。たまにはこちら側の文化を教えてみると、喜んでくれる人もたくさんいます!
Q: 海外で大学生活を送る上で、あなたにとって友達はどんな存在?
今ここにいられるのは、4年間かけて深い信頼関係を築けたチームメイトのおかげ。
海外で友達をつくること、また友達でなくても、本当に心から信頼できる関係性をつくるということは、私にとってとても時間がかかることで簡単ではありませんでした。それまでは、自分の本心を伝えるのが怖かったり、自分がありのままで行動することに自信がなかったりして、なかなか自分自身を周りにさらけ出すことができなかったです。
環境が変わり、言語も文化も変わって、周りの人と違うことだらけだと感じる中で、自分自身の個性がどれだけ素晴らしいかというのを、ありのまま自ら感じられること。そして、私が日本人であることが一番に立つのではなく、私自身の個性を周りに認識してもらうのは、日本にいる時よりも余計に難しいものです。
私はその分、自分と向き合って、毎日自分のできることを少しずつでも一生懸命やることを心がけました。むしろ、言葉のコミュニケーションではない部分で、自分がどう行動するかが大切だったな、と振り返ってみて思います。
私はなかなか言葉で自分の本心や悩みを周りに伝えることが難しかったのですが、チームメイトと4年間一緒に過ごすことで、私がどんな人か、どういう行動をして、どんな心を持っているかというのを少しずつ理解してもらえたと思います。4年生の今になって、やっと言葉でも、「楽しい」「幸せ」というポジティブな時の自分だけではなく、どんな状況の自分でも周りにさらけ出せるようになりました。
そして、周りに頼ること、周りから支えてもらえることで、何も心配することなく、ただチームメイトと一緒にいることが心地よく、何も話さなくても通じ合えていると思えるようになりました。私にとって、そんな存在がいなかったら、今もここに留まり続けられたかはわからないほどです。何度もチームメイトの存在や言葉に救われて今、ここにいられていると実感しています。
いかがでしたか?
勉学、スポーツともにトップレベルのハーバード大学で、チームメイトと切磋琢磨しながらハードな競技生活を送ってきたLunasa S.先輩。心から信頼できる関係性づくりの難しさを感じながらも、少しずつ自分からオープンに話して互いに理解を深め、チームメイトと絆を強めていったひたむきな姿勢に勇気づけられるかたも多いのではないでしょうか。
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