先輩はどうしてる? 海外の友人づくりとコミュニケーション③友達づき合いを通して多文化理解へ。
海外大に進学するとき、楽しみな反面、不安に思うこともある「友人づくり」。今回はポモナ大学のKarin F.先輩の登場です。中高時代は合唱祭の指揮者や弦楽部の部長を務めるなど、音楽を軸にリーダーシップを発揮してきた先輩から、アメリカ国内からの進学者が多数を占めるリベラルアーツカレッジでのコミュニケーション事情についてお聞きします。
友達づき合いを通して多文化理解へ。多様性に満ちた海外大ならではの学びを実感!
今回の「ラボ協力隊」
Karin F.先輩
アメリカ ポモナ大学1年生。高校で海外留学を経験し、学際的な学びができる海外大進学に魅力を感じていた。幼少期からバイオリンを続けてきたこともあり、音楽学部が強いポモナ大学へ。認知科学・国際関係学をダブル専攻予定。
Q:海外大で初めての友達!どうやって仲良くなりましたか?
留学生向けオリエンがチャンス!ポモナならではのグループ制度で寮生活も充実。
渡米してから最初の数日間、アメリカ国外からの留学生向けオリエンテーションがあり、そこがまず友達づくりの機会になりました。ポモナ大学は留学生が全体の10%ほどですが、数少ない留学生の中で心地よいコミュニティを作ることができました。今でも仲の良い友達の半分は留学生だと思います。
また、ポモナ大学にはスポンサーグループという同じ寮に住む10人ほどのグループがあり、そこで友達がたくさんできました!1年生は全員いずれかのスポンサーグループに振り分けられて、最初の1年間をグループのみんなで行動することになります。週に1、2回食堂で一緒にご飯を食べたり、就職活動の授業や学校のオリエンテーションを一緒に受けたりなど、イベントごとはすべてこのスポンサーグループで行われます。
グループ全員が同じ寮に住んでいるので、イベントに限らず日々なにかと一緒に過ごしています。宿題をしに隣の部屋に行ったり、アイスクリームを一緒に食べに行ったり、いつも友達がいるので寮の中で少しも寂しくなりません。こういった制度は小さなリベラルアーツカレッジならではかもしれませんが、ポモナ大学の長所だと思います。
仲良くなった友達と秋休みに行ったジョシュア・ツリー国立公園
Q:友達づくりで苦労したことや、仲良くなるコツは?
文化の違いで困ったことも。まずは自分のペースを作って話しかけてみる!
ポモナ大学は、学生の90%以上がアメリカ人。やはりアメリカ人独自の文化があるので、学内の大多数の人たちと共通の話題を見つけるのに苦労することはあります。小さな頃に見ていたテレビ、映画、聞いていた音楽、読んでいた本、好きだったキャラクターや食べ物などなど…、どうしても共通点は少なくなってしまいます。
また、”Varsity Team”というスポーツ推薦で入ったアスリートの学生たちは、すっかりスポーツチームでグループが固まってしまっていたので、その輪の中に入っていくことはとても難しいです。
ただ、なかなか共通の話題が見つからない、友達ができないといっても、焦らず、急がないのがいいと思います。授業や課外活動を通して同じ時間を過ごすうちに、自然と共通点が出てきて、共通の話題で話せる友達も徐々にできてきます。何より自分自身も環境に慣れてきます。まずは自分のペースを作った上で、自分のコンフォートゾーンを抜け出して人に話しかけてみるのがおすすめです。
あとは、趣味のグループに入ることも近道だと思います。私はオーケストラに所属していて、そこでたくさんの友達をつくることができました!
Q:友達づくりに役立った話しかけ方はありますか?
授業終わりにご飯に誘うのがおすすめ!少しの沈黙も気まずくなりません。
圧倒的におすすめなのが、一緒に食堂に行くこと!授業の後に「一緒にご飯食べない?」と聞くと、「いいよ」とOKしてもらえることが多いです。もし会話の間が空いてしまっても、そこはご飯を食べているという名目で(笑)、沈黙が気まずくなることは少ないと感じます。
話題としては、授業に関することが多いです。とっている授業が皆バラバラなので、お互いが今受けている授業について話すと長く話題が続きやすいです。あと、次に自分がとる授業の参考にもなるので、話すトピックとしてもおすすめです。
Q: 友達との会話に役立つおすすめ英語フレーズは?
気軽に話しかけたり、誘いに乗ったり。ネイティブとの会話にヒントがたくさん!
まずは挨拶がわりの”What are you up to? (今、何してる?)” 。何か誘うときにもよく使います。逆に、誘ってもらったらぜひ”I’m down. (いけるよ/いいね!/そうしよう!)”を!ノリの良さも伝えられると思います。
ネイティブの人と話していて、よく使っているなと思うのが”Fair enough. (そうなんだ/へぇ〜/妥当だね)”というフレーズ。直訳すると少しわかりづらいのですが、賛成の時も、やや納得いかない時も「まぁ、わかったよ」みたいな感じで使います。
あと、私が本当に助かったと思うのがWouldの用法! 下に挙げた2つ以外にもいくつもありますが、これらは特に覚えておいて損はないです。
過去の習慣・意思:
I would run every day but I cannot anymore. (昔は毎日走ったものだけれど、今はもうできない。)
現在の弱い推量:
I would guess the answer is B, but I am not sure. (多分答えはBだけど、合っているかは自信ない。)
Q: 友達と話していて「海外ならでは」と思う話題は?
夏休みといえどもインターンや研究に熱心!情報交換もさかんです。
海外と一括りにしづらいのですが、1年生のうちからインターンシップや研究に関する話が多いのは、アメリカの大学ならではと言えそうです。日本では夏休みはバカンス、楽しむものというイメージが強いかもしれませんが、アメリカでは学校では得られない就業経験を積むことが重要です。日本のように新卒採用というものがなく、大学生もそれぞれが持つスキルをもとに企業に採用されるという背景があるためです。
なので、1年生の夏休みからインターンシップや大学で研究する人が多いです。学内でもよく「20社インターンに応募したけど結局1つも受からなかったよ。どうしよう」「私もインターンは全落ちしたけど、学校のリサーチのプロジェクトに参加するから6〜8月は忙しい。夏休みがつぶれちゃった」「そういえばXX社は2次募集してるみたい!応募したら?」など情報交換しています。
Q: 海外で大学生活を送る上で、あなたにとって友達はどんな存在?
本当の意味で多様性、多文化理解を学ばせてくれます。
アメリカは人種のるつぼと言われます。その中でもポモナ大学は、アメリカの大学ランキングの多様性部門で1位*を取るほど、ひときわ多様性に富んでいます。着る物、食べる物、肌の色がみな違って、何気なく過ごす中でも多様性や多文化理解、共生社会などについて自ずと考えさせられます。
(* NICHE 2022 Best Colleges in America / Best Diverse Colleges より)
しかし、真の多様性は目に見えるこういった違いだけでなく、価値観など人の内面にせまるほど認識が難しくなるものです。歩み寄ることなんて不可能だと思う意見でも、その人の、その意見に至るまでの文化的・社会的・経済的背景を理解した上で、まずは一度聞き入れようと思うこと。そんな自分の葛藤の中に、ポモナ大学生活、そして多文化理解の本質があるのだと思います。
日本の大学では同質になりがちですが、アメリカの西海岸だとこういった多様性にふれること、時には葛藤しながらも受け入れることを友達から学べます。
いかがでしたか?
小規模なリベラルアーツカレッジの強みでもあるグループ制度をうまく活かしつつ、小まめにコミュニケーションをとっているKarin F.先輩。自分の軸やペースを大切にしつつ、コンフォートゾーンを飛び出して交流の輪を広げる中で、海外大ならではの学びを得ている様子がうかがえました。次回はアメリカ ハーバード大学に通うLunasa S.先輩のお話をお届けします。
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