海外大の授業ってどんな感じ?①
「海外大で学びたい!」と考えたとき、目指す大学でどんな授業が、どんなスタイルで行われているか知り、できるだけ具体的に”海外で学ぶ自分の姿”を思い描くことはとても重要です。一方で、決められたカリキュラム、時間割で受ける高校までの授業とは大きく異なり、全て自分で選択・登録することから始まる大学の授業は経験してみないとなかなかイメージしづらいもの。そこで、授業の内容や情報の集め方、選び方など、今まさに海外大で学ぶ先輩だからこそ知るとっておきの情報を4回にわたってお届けします。第1回はカナダ トロント大学で学ぶToko M.先輩の登場です。
今回の「ラボ協力隊」
Toko M. 先輩
トロント大学 2年生。海外進学をした理由は、住んだことのない環境に身を置くことで、育ってきた環境との違いに気づき、自分のバックグラウンドについて理解を深めるなど、海外での学びは人として成長できると思ったから。一度アメリカで進学したが、コロナ感染状況を考慮してカナダのトロント大学へ。現在は、アート&サイエンスを専攻。コロナ禍の間は一時帰国してオンライン授業を受けていたが、今年1月から再びカナダで学んでいる。
Q:大学ではどのように授業を選び、決めましたか?
友達・先輩からの口コミが大きな頼り!迷ったときは授業の”お試し”も。
授業を決める際、まずネットでシラバスを読み、その授業を実際に取れるかどうかを確認します。トロント大学では、レベルの高いクラスにおいて”Prerequisites”という、授業を受ける前提条件として必修科目がある場合が多いためです。あとは、友達や先輩から「この教授の授業、面白かったよ!」と教えてもらうことも多いです。たくさん選択肢がある中で、身近な人たちからの評判はかなり頼りになります。取るかどうか迷った授業については、数週間実際に授業を受けてみてから決めます。授業がスタートしてから授業の登録をキャンセルできる締め切り日まで2ヶ月以上あるので、何を学びたいか慎重に選ぶことができます。
実際にトロント大学の授業のラインナップを見て、心理学の授業が豊富なことに驚きました!心理学の基礎だけでなく、「赤ちゃんの心理学」や「マジックの心理学」など、細分化されて興味深いテーマがたくさんあります。特に「赤ちゃんの心理学」は人気で、基本的には早い者勝ち!あっという間に定員が埋まって登録できない人が出てしまいますが、どうしても履修したい場合は、直接教授にメールで頼み込んでクラスに入れてもらう場合もあるそうです。必ずしもOKをもらえるわけではないものの、ダメ元でもまずは熱意と意欲を見せる!というのが大切だなと感じます。
Q:自分にピッタリの授業を選ぶコツは?情報の集め方、選ぶときの条件なども教えてください!
最初の授業選びは大苦戦!2学期以降は自分の経験や周りからのおすすめを手がかりに。
1年生の1学期は、周りに知り合いがいなかったため情報収集は正直苦労しました…。自力でシラバスを読みこんだり、”Rate My Professors (教授の良し悪しを学生が書き込む口コミサイト)”を使ったりして情報収集しましたが、入学前後の右も左もわからないうちに授業を選んで登録しないといけないのはなかなか至難の業です!
2学期からは、シラバスに加えて先輩や友達におすすめの授業を聞いたり、1学期に授業を取って相性の良かった教授の他の授業を選んだりしています。
ちなみに、1年生の時はコロナ禍で日本に帰国してリモートで授業を受けていたので、負担が大きくなりすぎないように時間割をひと工夫。時差を考慮してなるべく朝から夜1時ごろまでの授業を選ぶようにしていました。
Q:実際に授業を受けてみて、トータルでどんな印象ですか?
大規模クラスでも教授との距離が近い!大学の設備・フォローの厚さにも感動です。
つい最近まで日本からリモートで受けていたオンライン授業の印象になるのですが、トロント大学は規模が大きいためか、オンラインの設備が驚くほど整っていると感じます。100人ほどの大きなオンラインクラスでは、教授に加え、接続などIT関連を一手に担うテック専門の人と、必要に応じて学生からのチャットを読み上げる人の2名が常時ついていました。そのおかげで大きなトラブルなく、スムーズに授業が進行していて感動しました!
また、100人規模のクラスにもかかわらず、教授が名前と顔を覚えてくれるほど教授との距離が近いことも印象的でした。オンラインで、しかも100人も参加していると双方向的なやりとりが難しそうだし、一方的な授業になるのではと始めの頃は思っていたのですが、授業内で学生が積極的に質問ができるようにするなどよく配慮されているのを感じました。
大学の授業にはiPadが便利!GoodNotesというアプリを使ってリーディングをしたりスライドにメモを取ったりしています。
Q:これまで受けた中でイチ押し!というお気に入りの授業は?
ジェンダー学の授業で毎回瞑想30分!集中して授業を受けられるのを実感しました。
私がこれまでで一番面白い!と感じたのは“Introduction to Women and Gender Studies(ジェンダー学イントロ)”という授業です。様々な地域のジェンダー、人種、階級、セクシュアリティ、障害などに関連した社会課題について統合的・歴史的なアプローチを取るという入門的な講座ですが、毎回、授業の初めに30分ほどメディテーション(瞑想)をするところが印象的でした。最初の頃は、オンラインで授業に参加しているのにクラス全員が30分間じーっと静かにしているのが不思議な感じでしたが、徐々に慣れてくると集中して授業に入っていけるのを感じました。慌ただしい日常の中でメンタルのバランスを整える時間として、教授が意識して取り入れていることなのかもしれません。また、課題は1週間遅れて提出してもペナルティー無しだったため、学生のメンタルヘルスを気遣う教授の優しさがあらわれているように感じました。
Q:授業選びのコツや考え方など、海外大にあこがれる高校生へぜひアドバイスをお願いします!
内容だけでなく教授との相性も要チェック。信頼のおける一次情報を集めよう!
授業の内容ももちろん大事ですが、それと同じくらい教授との相性も大切だと私は思います。なので、できるかぎり先輩や友達からどんな教授なのか、学生への対応はどうだったかなど”一次情報”を集めることが鍵だと感じました。SNSやブログなどネット上にもいろいろな情報はありますが、中には実態と異なっていたり、その人の主観にかなり偏った評価だったり、必ずしも正しい情報、自分に当てはまる情報ではないので注意が必要だと思います。その点、友達や先輩からの声だと、その人の専攻や志向などある程度わかった上での評判なのでとても参考になる情報だと感じます。
いかがでしたか?
前情報が少ない中、自力でシラバスを読み込むことからスタートしたToko M.先輩の授業選び。実際に授業を受けて感じた教授との相性や友達・先輩の声など、本当に信頼できる情報を少しずつ積み重ねて、自分に合った授業を主体的に選びとっている様子がうかがえました。次回は、アメリカ ペンシルベニア大学に通うHana M.先輩のお話をお届けします。
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