パンフレットには載らない! 我が校の濃すぎる特徴・裏話④ ~ミドルベリー大学~
“自分にとって一番良い大学”を検討する時に、授業のプログラムの内容や身に付くスキル、教授との関係性など、大学独自の学びの特徴を具体的に知りたいですよね。今回は、全米でも教育の質の高さに定評があるリベラルアーツカレッジのミドルベリー大学をYuka T.先輩が紹介してくださいます。大学で学べる内容、大学がある場所の環境についても詳しく語ってくださっています。
英語に限らず、他の言語が完全に身につく大学!学びを深めてくれる教授や大自然もが待っています。
今回の「ラボ協力隊」
Yuka T.先輩
ミドルベリー大学(Middlebury College)3年生。
大学入学前に専攻したい学部・学科が分かっていなかったことがきっかけで、2年間自分のやりたいことを探せるリベラル・アーツ・カレッジで学びたいと考え海外進学を決意。心理学の授業中に学んだ脳科学分野と、
Q. ミドルベリー大学にキュンときた理由を教えてください。
A.自分の可能性を広げるリベラルアーツ、語学プログラムの豊富さで自然に定まりました!
まず、海外大学を志望した大きな要因として、
1)日本だと多くの場合高校卒業までに大学の専攻を決めて受験をしますが、学部を決めてしまうことで自分の可能性を狭めたくない
2)大学で学ぶなら教授との距離ができるだけ近い大学が良いと思っていた
からでした。
また、海外で進学する大学は、リベラルアーツを取り入れた大学であることが最低条件でした。
そして、リベラルアーツの大学の中でも今のミドルベリーを選んだのは、
1)リベラル・アーツ・カレッジの大学ランキングでも常に最上位グループに位置していること
2)言語に関するプログラムが豊富、かつ、そのプログラムの質がとても良いことで有名だった
からでした。
実は、私はずっと中国語を趣味でやっていたので、アメリカにいながら最高の環境で“英語”だけではなく”中国語”も極められるという点が大きなポイントになりました。また、こうした学校の性質から、大学のコミュニティ自体が自分と同じように言語の獲得に興味のある学生が多く集まっているだろうと思った側面もあります。
加えて、当時は心理学と教育学(教職ではなくEducational Policy)をメジャーとして選ぶことを考えていたので、その授業が豊富にある学校ということも考慮した結果、ミドルベリーが第一志望になりました。
Q. 先輩から見たミドルベリー大学の“自慢ポイント”を教えてください!
A. 美しい自然に囲まれ、言語が絶対話せるようになる授業、親身な教授など学びの環境が充実!
自慢できるのは、次の3つです。
●「ミドルベリーの言語プログラムの授業を受ければ、100%話せるようになる」と言われているほど、言語プログラムには定評があります!例えば、“Summer Language School”というミドルベリーが夏に特別に開講している「8週間に及ぶ言語習得集中プログラム」。12言語のプログラムが用意されています。もちろん私は中国語で参加。話せるようになりましたが、“100%話せるようになる”秘密は、言語以外で話すことは厳禁だったりします。また、毎日、言語の勉強・筆記テスト・音読テストを繰り返すので、確かにプログラムに参加したら強制的に話せるようになること間違いなし!です。
●授業のクラスサイズが小さいことも自慢です!ほとんどのクラスが、一桁から30人までで、どんなに多くても80人と規模が小さめです。教授との距離も本当に近く、どの教授も親身な対応で接してくれるので、いわゆる「ハズレ」の教授は私の経験上ほぼ無いです。
●環境への配慮と、美しい自然も大学の良いところです。大学が環境への取り組みを行っている結果、大学は環境学で有名です。さらに、アウトドアアクティビティが充実しています。スキー場がある山やゴルフコースを大学が保有していたり、農場の中にあるトレイル(散策するための歩道)のみならず、登山ができるところも多く、近くの湖でもセーリングやカヤッキング等の自然のアクティビティをし放題です!
Q. ミドルベリー大学大学に入る前に“知っておいた方が良いこと”はありますか?
A. 学びは最高でも、「限界を超える」ぐらいの寒さ!なので覚悟しておけるのがベスト。
渡航前に知っていたらよかった…と思うことは、ただ一つ…寒い。とにかく、寒い!いえ、私も実は応募した時から知識としては分かってはいたんです…寒いって。しかし!「地元の京都もそれなりに寒いし、別に大丈夫、大丈夫!学問優先だから!」と思っていたのですが、少しなめていました。
こんなにも「寒い」ということに自分の耐性がないとは知らず…気づくことができたのミドルベリーを選んで住む経験ができたおかげです。
もちろん、ミドルベリーのアカデミック的な側面には心から感謝しているし、最高なので、もし自分が過去に戻って選び直すとしても、やっぱりミドルベリーを選ぶと確信はしています!とはいえ…、慣れない気候というのは結構精神生活に大きな影響を与えるので(心理学では既に多くの論文で示されている事ですが)、気候も大学選びの要因に入れることをオススメします!笑
Q. ミドルベリー大学で行われている「予想外でおもしろい!」ことはありますか?
A. 想像以上の田舎っぷりに驚愕!勉強には集中できると思っていたけど、衝撃の連続でした。
うちの大学と負けず劣らずの大学もあるかとは思いますが、“田舎エピソード”なら尽きません!私は、大学にいる間は学問に集中したいので、都会じゃない立地を割と積極的に選んでいたのですが、あまりのカルチャーショックに最初の数か月は田舎エピソードばかりインスタグラムに投稿していた気がします。そのエピソードをいくつかご紹介します!
■スタバが無い!
大学に入るまで日本では、“家から徒歩10分で行けるスタバが3軒“、”最寄りの地下鉄の駅までは走れば2分“みたいな立地に住んでいた私は、大学に来て、”1軒もスタバがない!“、”駅どころか電車がない!“、”一番近くのマクドナルドまで車で20分!“、”大好きなChipotle(メキシカンフードチェーン店)まで車で1時間!“という事実をしばらく飲み込めず、「スタバがないならどこで勉強すればいいんだろう?」と思っていました…笑!
1年生の最初の週に唯一のスタバが自動販売機のこれだけなんて…と、
悲しみに耐えかねてインスタに投稿した写真
■地元に唯一ある映画館が衝撃的!
もちろんシアターは1つしかなくて、なんと前2列の席は全部家庭用のソファーになっていて衝撃でした!そして、いまだに2階から人がプロジェクター制御をしているタイプの投影方法…。一度、”Ready Player 1(レディプレイヤー1)という映画の公開日に友達と見に行ったら、最初の20分に人の音声だけが聞こえないという不具合に合い、2階から人が出てきて「ごめんなさい!今、修理したのでもう一回最初から流しまーす」と言われ、もう一度最初から見る羽目になったりしました…笑。これは田舎の経験に入れていいのでしょうか…分かりませんが、ほのぼのしました!
地元の映画館です。
見えにくいですが、一番前に普通のソファーがおいてあるだけ…衝撃!
■先輩から教わった田舎トピックス
大学に初めて行ったときに最初に出会った先輩が教えてくれた今でも忘れない2つのこと!・「ミドルベリーがあるバーモント州は、人より牛が多いんだよ!知ってた?」・「理系科目を受けるこのBi-Hallっていう建物、6階建てで、屋上に天文台があるんだけど、これがバーモント州で一番高い建物なんだって!」
Q.先輩は、大学や海外生活で知り合った友人たちとどんな話をしていますか?
A. ほとんどが「言語」か「今後の夢」について!特殊な専門用語も飛び出します。
私の友達は基本的に授業が一緒になった子たちがほとんどです。フリータイムに話すと言えば、共通の興味である”学問の話”と”将来の話”しかしないといっても過言ではないです。この点が、まさに私が“アメリカの大学に来てよかった“と思っている点です!
日頃親友と呼べる子たちとは、本当に常に“言語の話題”か“今後どうしていきたいかという夢の話”ばかりしているのですが、ちょっと話すだけで「あ、自分もがんばらなきゃな!」と、前向きに思わせてくれる最高の人たちです。
休学中の今でもずっとテキスト(メールで会話)していますし、最低でも月1でビデオ通話しています。言語学好きの友達と話す時には、言語学の特殊な用語満載で話が弾みます。
例えば、こんな会話です…
「この間、スペイン語で“日本語のある単語“とほぼ音韻が似ている単語を見つけたんだけど、IPA(国際音声記号)で書いたからこれ発音してみてくれない?…やっぱちょっと/u/の円唇さが日本語よりキツイ(強い)よね!…日本語だとリズムもモーラリズム(日本語特有の発音の仕方)だからさー…。」
と、端から聞いていたら呪文のような話になっていると思います…笑!
私は真剣に自分の好きなことについて語り合うこと、そして、今後の人生をどうしていきたいか強く自分の意思を持ってい
ミドルベリー大学に来てから出会う人たちは、「
Q.先輩が大学や海外生活で知り合った「愛すべき、変?な“おもしろい友人・知人」”はいますか?
A. 極寒のエリアで育った子には、ミドルベリーの冬の寒さも温かい!? 信じられない肌感覚の持ち主でした!
変人という枠に入るか微妙ですが…、ずっと言語の授業を一緒にとったり、勉強していた友達で、ワイオミング出身(アメリカ合衆国西部の山岳地域にある州)の子がいます。 私が冬に室内でもダウンコートにマフラーのフル装備な状態で「寒い!寒い!」と凍えている横で、「え?今日は、暑めだよ?」とか言いながら、平気で半そでを着ているツワモノです!というのも、その子の実家はミドルベリーよりも寒い地域。いつでも「ミドルベリーは、暑すぎる!」とか「雪が吹雪いている!!!最高!!!」と言って、目をキラキラさせていて…私には信じられません。
育ってきた環境での体験・学習の繰り返しが、私たちの体感覚をここまで左右するのだな…と学ばせてくれたのはこの親友です!
Q.ミドルベリー大学に興味がある高校生にメッセージをお願いします!
A. 学びの充実と自然の満喫を両方叶えてくれるミドルベリー大学でお待ちしています!
・学問が好きで、まだ学部を絞りたくないと思っている!
・教授と友達みたいに仲良くなりたい!
・英語以外の言語をマスターしたいし、練習できるコミュニティが欲しい!
・環境保全に興味がある!
・夏休みが長い(いつも大体3か月半以上あります!)方がいい!
・学校にいる間は都会に遊びに出るより勉強に集中していたい!
・寒いのは気にしない!
・自然と触れ合っていたい!
そんな条件に当てはまるかたになら、“ミドルベリーは最高の環境だ!“と私は思います。
そして、同じ国から大学に留学に来た人の結束(日本からに限らず!)は、とっても固くて、みんな本当に仲良しで助け合っています!私たち日本から来た留学生も、少なくとも学期ごとに1~2回は集まって、日本人会もやっています。 あなたが、私たちMidd Kidの仲間入りをする日を心待ちにしていますね!
いかがでしたか?
Yuka T.先輩が通っているミドルベリー大学は、学びのプログラムや環境が充実している大学でしたね。言語が間違いなく身につくような確実なスキルが磨けることも魅力でした。次回は、シリーズ最終回。アメリカのマサチューセッツ工科大学の魅力を先輩に紹介していただきます。
※この記事でご紹介している内容は2021年4月27日現在の情報に基づいています。