私の海外大生活~楽あり↑・苦あり↓③〜
海外大学生活での“苦労や失敗”、そして逆の“最高の時”を5人の先輩たちに振り返っていただいきシリーズでお届けしています。3人目の先輩は、アメリカに進学し、現在は日本で社会人として活躍されているDaiki.T先輩です。進学中の勉強、部活、寮生活にどんな出来事があったのかを語っていただきます。
欲張りすぎて時間が全然足りない!思いきった積極的コミュニケーションで解決。そして、気づいたら言語も成長していました。
今回の「ラボ協力隊」
Daiki T.先輩
Springfield College 卒業生。
中学生の時に「生物多様性」をテーマに議論する世界会議に参加。英語で発言が上手くできなかった経験から留学への興味を持つようになり、高校2年の時から1年間の留学経験を経て海外進学を決意。アメリカに渡り、語学学校、コミュニティカレッジ、そして4年制大学のSpringfield College大学へ編入し、経営学(Business Administration) を専攻した。現在は、日本でコンサルティング会社に勤務。
Q. 海外での学生生活ならではの「苦労したこと」「失敗したこと」はありますか?
A.勉強に!部活に!さらに他の活動に!とやりたいことをしていたら時間が足りなくなり、バランスを保てなくなりました。
苦労をしたのは、大学へ編入した後の大学3年〜4年生の時でした。勉強は当たり前に大変なのですが、部活のテニス、レジデント・アシスタント(寮生活をサポート役/RA)の活動に加え、自分のプライベートも…と思うと、時間や優先順位などを調整するのが難しくなり、バランスを保つことに苦労をしました。
アメリカの大学では、授業に出席することが重要なのでもちろん授業には休まず行く必要があります。そして、授業の時間だけを確保すれば良いのではなく、たくさん課題が出るのでそれらを取り組む時間の確保が必要になります。
また、大学では部活動(スポーツ)をする生徒が多く、私もテニス部に所属していました。部活も一生懸命にとことんやる大学の校風なので、週6回の練習に週2回の筋力トレーニングがあり、ハードなスケジュールをこなします。
加えてレジデント・アシスタント(RA)の仕事や、息抜きの時間など時間(もちろん睡眠も!)をこなしていると時間が足りなくなり、タイムマネジメントや、自分の行動のローテーションを定着させるのに大変苦労しました。
Q. その大変な苦労や失敗。一体どのように乗り越えたのですか?
A一人で解決しないことが大事。友人やチューターなどサポートしてくれる人に頼ることで解決していきました。
自分の時間のやりくりが問題ではあるのですが、不思議なもので、自分で考え、自分だけで「全てをバランスよく効率よくこなそう!」と努力していた時は、実はあまり改善が見られませんでした。
思い切って同じ授業をとっている友達や、教授、チームメイトやRA仲間と積極的にコミュニケーションをとることに。自分が悩んでいるところや、困っている事、苦戦していることなどを相談して、力を借りてみたら、自分のローテーションを作る事ができ、乗り切る事ができました。
留学先の海外でも学生生活をサポートしてくれる人であふれています。遠慮したり躊躇せずに相談をすると皆快く助けてくれますし、相談することで人脈が広がったり、仲が深まっていきました。
Q.苦労や失敗から「学んだこと」、「身についた力・スキル」はありますか?
A.“人に頼ること“の大切さを知りました。そして、その分、自分を頼られた時には”全力で返す”ことが大事です。
「人に頼ること」でしょうか。他人に頼る事は悪いことではありません。自分で行き詰まった時は、素直にその状況を認めて、友人や教授など周りの人に力を借りて先に進むことが大切です。さらに、アドバイスを受け止め、吸収すること、そして、自分の感謝を相手に伝える事の大事さをこの体験で感じることができました。そして、逆に自分を頼られた時は“全力で返す!”事の大切さも学びました。
Q.経験されたような“苦労をする意味”って何でしょうか?
A. 積極的にコミュニケーションを取ろうとすることで解決や結果がついてきます。私の
場合、英語の上達にもつながりました。
特に苦労をしたことで感じていることは、自分から積極的にコミュニケーションを取りに行くことが大きな意味を持っていると思います。これは、相談するのでも、何でもあてはまると思います。
“英語が十分に話せない”、“自分が思っていることをうまく表現できない“などで、相談することや行動を起こすことを躊躇する必要はありません。言語が流暢かどうかなどは関係なく、しっかり伝えようと行動することに
意味があると思っています。
また、自分から行動をすることで、伝えるためのツールである「言語」が上達していくことにも繋がります。
Q.逆に海外での学生生活で「最高潮だったこと」「最高に楽しかったこと」はどんなことですか?
A.トラブル対応やイベント企画などあらゆることを担ったレジデント・アシスタントの経験は、一番の思い出です。
大学4年生の時のレジデント・アシスタント(RA)の時です。RAは、学生寮の監督生という立場で、学生が安心して快適な寮生活を送れるように、自分も住みながら皆の日々の生活をサポートする役目を担います。
RAには、様々な仕事があります。
・寮での危険物/危険行為の取締り(巡回や定期的な室内の検査等)
・緊急時の対応(キャンパスセーフティーへの報告や学校への報告書作成等)
・イベント企画(季節のイベント等、学生達の交流の場を企画、運営)
・寮生からの相談や改善要望等への対応
等々で、同じ寮の学生同士の交流やサポート、他の寮のレジデント・アシスタント(RA)と協働するような交流もありますし、寮のイベントの企画や、寮内で起こるトラブルの対処など…本当に様々です。
色んな人と多種多様なことを行うことが求められるので、非常に高いコミュニケーション能力を必要とされ、多様な経験ができ、自分にとっては活躍も含めて最高の出来事となりました。 特に思い出深いのは、ハロウィンに向けて同じ寮のRA達全員で企画をした、“寮を丸ごとホーンテッドハウス計画!”なんてものもありました。そして、あまり良くない事ではありますが、学生なので様々なことをしでかす…ということもあって、週末に稀に起こる緊急事態の対応は鮮明に記憶されています!
Q. その経験や出来事が何かに“活きている”と思うことはありますか?
A. RAの対応で培ったコミュニケーション力は現在の仕事やプライベートにも活きています。
様々な状況への対処・対応(本当にいろいろな事がありました…笑)を通して、どんな状況でも冷静に対応することや、言語や文化を全く意識しないコミュニケーション能力をつける事ができました。
その経験は、現在の仕事ではもちろん、プライベートでも人間関係の構築や、コミュニケーション、ネゴシエーション(合意をとったり、調整を図る必要がある時など)の場で役立っています。
Q.最後に、海外大学生活だからできる「成功体験」「楽しい経験」とはどのようなことですか?
A. 海外であるという“違い”を意識しなくなった時、成長を感じることができました。
海外大学に進学すると文化や言語等、これまで育ってきた環境とは異なる環境で生活をします。でも、その“違い”を意識しなくなった時に、自分の成長を感じることができました。これは、日本にいると感じる事ができない感覚であり経験だと思います。
いかがでしたか?
Daiki先輩は、苦労の経験、最高だった出来事の両方に共通して多種多様な人たちと相談や交流をすることを積極的にされていました。その結果、コミュニケーションのスキルが身についたり、語彙力が高まったようです。これはまさに海外進学をしたからこその人種や文化違いや言語のハードルがある環境で培った力ですね。
さて次回は、アメリカに進学し、勉強の苦労を乗り越えたYuka T.先輩にお話をお聞きします。
【他の先輩の楽あり↑・苦あり↓体験談もチェック!】
■うまくいかなかったグループワークのやり方を改善。 失敗から学んで成功に変えた経験は、英語「で」何かできるという自信になりました。(Y.H.先輩 オーストラリア ウェスタンシドニー大学)
■自分が学びにつまずき、サポートしてもらった経験があったからこそ「学ぶ人を助けたい」と思えるようになりました。(Haruka T.先輩 UC Berkeley 卒業生)
※この記事でご紹介している内容は2021年3月16日現在の情報に基づいています。