私の海外大生活~楽あり↑・苦あり↓①〜
憧れの海外大進学ですが、実際には長期間の留学生活になると良いことばかりではないのが現実。でも、反対に海外でないと経験できないような素晴らしい出来事に出会えるのも事実です。海外大生活を長年送ってきた先輩たちもそれぞれに刺激的なドラマがあるに違いありません。そこで今回からシリーズで5人の先輩に登場いただき、海外大でのどんな”苦労や失敗”や”最高の出来事”があったのかを語っていただきます。第1回目は、オーストラリアに進学をしたY.H.先輩にお聞きします。
うまくいかなかったグループワークのやり方を改善。 失敗から学んで成功に変えた経験は、英語「で」何かできるという自信になりました。
今回の「ラボ協力隊」
オーストラリア ウェスタンシドニー大学(Western Sydney University)3年生。
英語力だけでなく専門的な知識や技術を身につけるため海外大学に
TAFEに一年間通い、編入でウェスタンシドニー大学に入学。B
Q. 海外での学生生活ならではの「苦労したこと」「失敗したこと」はありますか?
A.オンラインのみでつながる関係のグループワーク。課題が思うように進まず、苦労しました。
もちろん、あります!私は、編入で大学に入ったので、3年ぐらいをオーストラリアで過ごしています。その中でも一番苦労したのは、大学1年生後期(4、5月頃でした)を迎えた頃のことでした。 授業の課題で、初めてグループワークで取り組まなければならなかったのですが、ちょうどその時期はコロナのため、すべてオンラインに切り替わった頃でした。事前にクラスメイトの顔合わせで、たまたま連絡先を交換していた人たちと課題を進めていくことになったのですが、なかなか思うように進まず苦労しました。
グループで一つの論文を作成する課題だったので、分担を決め、それぞれで書くパートを分けたのですが、グループの一部の子が何度会議を重ねても進捗がなく、書き方を教えても、役に立ちそうな資料を提供しても書いてくれず、他のメンバーの子と電話をしながらみんなで頭を抱えた…ということがありました。
結局、責任をそれぞれが決めたとおりに果たすということは難しい結果に終わってしまったので、他のメンバーと分担して、進んでいないパートの分を書き上げました。当時は、締め切りも近かったので、連帯責任で成績も評価されるからまずい!!と思って焦りました。
Q. その大変な苦労や失敗。一体どのように乗り越えたのですか?
A.グループで達成する意識を持てるよう、共有ツールをうまく利用して助け合うようにしました。
失敗したことを振り返ってみると、グループワーク一人一人が何をすべきなのか、こまめなコミュニケーションによって、役割をお互いが理解することがとても大切だと思いました。 その後も何回かグループでの課題があったのですが、失敗を活かした様々な対策をしました。
例えば、グループ内は英語で会話が成り立つので世界共通で使えるツールを一緒に利用することができます。ミーティングをした後は、話し合ったことや締め切りを決めたことに関してリスト化し、さらにグループチャットに貼り付けるなどをして遅れがないよう、助け合えるようにしていました。後は、Google Docsで書いている原稿を常に共有し、お互いに内容をチェックしあう会議を定期的に設けていました。
すると、オンラインのみでやりとりするグループであっても、うまく課題をまとめていくことができるようになりました。 グループでも個々の理解度や進行していくイメージは異なるので、グループの皆がスケジュールを確認できることや、共通の課題を全員が意識できるようにすることが大事だと気づくことができました。
Q.逆に海外での学生生活で「最高潮だったこと」「最高に楽しかったこと」はどんなことですか?
A.観光業への新プランを会社へプレゼン!グループをリードしながら結果を出した経験はとても達成感がありました。
大学に通った2年目(2年生前期)の10月頃のことです。苦労したことがあったからこそだと思う、最高の出来事がありました。このコロナ時期に実施されたグループワークで、授業の一環として実際の会社の方とのグループワークが行われました。
内容は、同じ大学の生徒とグループを組み、コンサルティング会社の方に「コロナ禍で落ち込んだ観光業に対して新プランの提案」をすることが課題でした。初めはオーストラリア全体の観光へのアプローチということで、規模が大きすぎてどこから手を付けていいかも分かりませんでした。さらに毎週コンサルティング会社の方から課題が出るため、それをこなすための情報収集・処理にもとても苦労しました。 でも、最終的にそれぞれが力を合わせてできた新プランをプレゼンしたら、高評価をもらえてとても達成感がありました。
私は、それまで“周りに合わせて迷惑をかけない”ということだけを考えて付いていくような動きをしていましたが、この時はリーダーも経験することができ、積極的に課題を取り組みながらグループに納得のいく結果を出せたことで、自分に自信を持つことができました。
Q. その経験や出来事が何かに“活きている”と思うことはありますか?
A. ひたむきにやっていくことで着実に力がついていると実感。そして、必ず結果がついてきます。
失敗から成功に転換した経験から学んだのは、“どんな壁にぶつかっても、あきらめずコツコツとひたむきにやっていくこと”です。以前は、「自分なんて、英語についていくので精一杯だからチームに貢献できない。単位さえもらえれば、とりあえず合格さえもらえれば…」と思っていました。 現在大学に通いはじめ1年半が経過し、授業のレベルはどんどんあがり毎回机の上で嘆いていますが、グループでも発言できたり、成績の点数もあがって、「着実に力はついているんだ!」と感じる事ができています。
Q.最後に、海外大学生活だからできる「成功体験」「楽しい経験」とはどのようなことですか?
A. 英語を使うことが目的ではなく、使って何か達成できた時に海外大に進学して良かったと感じます。
私が思う留学生活にしかない「楽しさ」や「成功体験」というのは、英語で何かができた時の経験だと思います。日本での学校では文法や単語をたくさん覚えてテストで良い得点をとる…でしかなかった英語が、コミュニケーションのツールとして、言語として現地の方と、はたまた同じような意思をもってその国にはるか遠い地からやってきた留学生と会話した時は感動します。
日本にいる時の世界では、英語は使い道の分からないものだったけど、留学したことによって英語は最強の剣だったかのように感じるのです。加えて、英語で何か学ぶことができたなら、おまけに盾までついてくる、みたいな…感じがするんです。 それを今後どう活用していくかは人によってさまざまだとは思いますが、その楽しさはやはり、留学という世界に踏み込んだものだけの経験だと思います。
いかがでしたか?
Y.H.先輩は、コロナ禍の影響によりオンラインでグループワークの活動でする難しさに苦労があったようですね。でも、失敗の原因が何なのかを捉えて解決したことによって、次に同じ状況にあっても成功を収めるという素晴らしい経験をされていました。英語を使いながら経験が自信になっていく様子も海外進学を前向きにしてくれるようなエピソードでした。
次回は、アメリカで電気・コンピューター工学を学んだ先輩の「楽あり↑・苦あり↓」のお話を紹介します。
■自分が学びにつまずき、サポートしてもらった経験があったからこそ「学ぶ人を助けたい」と思えるようになりました。(Haruka T.先輩 UC Berkeley 卒業生)
■期末試験とダンスの発表が重なる超多忙な日々にまさかの体調不良!「Work SMART」に気付くきっかけになりました。(Yuka T.先輩 ミドルベリー大学)
■突然の怪我で心身に大ダメージ。でも、“こんな経験、めったにない!“と乗り越えたことが自分の成長につながりました。(Yotaro S.先輩 Yotaro S.先輩卒業生)
※この記事でご紹介している内容は2021年3月2日現在の情報に基づいています。