「自分らしい」奨学金② いつ・何をした?奨学金対策スケジュール【受験勉強との両立法も】
海外大に通う、となると問題になるのはけして安くない学費と生活費。そのハードルを下げてくれる奨学金は、留学生にとっては非常にありがたい存在です。でもいざ奨学金申請のための対策をするとなると、高校の勉強や受験勉強と並行しながら、どんなスケジューリングで何をすればよいのか、なかなかイメージしづらいですよね。そこで今回は、ラボ協力隊の先輩たちが、実際いつ・何をしたかをズバリ答えます!
1週目:① 情報はどうやって集める?ベストな奨学金の見つけ方
2週目:② いつ・何をした?奨学金対策スケジュール【受験勉強との両立法も】 ◀︎ 今ココ!
3週目:③ 奨学金を得た先輩たちが「入学後」に生かしていること【コロナ禍の対応も】
4週目:④ 奨学金どうするか悩み中…そんな高校生たちにアドバイス!
5週目:⑤ 先輩たちが直接語る!奨学金リアル体験談動画 ❶❷❸❹
今月の「ラボ協力隊」
アメリカ ノックス大学(Knox College)2年生。
勉強内容、生活環境から自分がより成長したいと思ったのが、海外留学のきっかけ。
アメリカ ウェルズリー大学(Wellesley College)2年生。
興味のあった国際関係学や比較政治学が発達していることを知り、アメリカへ留学を決意。
オーストラリア トリニティカレッジ(Trinity College -Melbourne foundation-)2年生。
進化と生態系の分野に強いオーストラリアの大学を選んで進学。
アメリカ ウェズリアン大学 (Wesleyan University) 2年生。
文系・理系の区別をせず幅広く学べる環境を求めて、アメリカに留学。
※現在は、コロナ禍の影響で全員日本に帰国・待機中
Q. 奨学金を得るため、いつから・何を・どんなふうに準備しましたか?
奨学金財団の応募開始期間によって、大きく準備スケジュールは変わってきます。ですが、高校の成績や課外活動など、エッセイや面接で語るための材料は応募時点で揃っているはず。後はその経験で学んだ・感じたことを深化して文章化するだけだと思います。
とはいえ奨学金のエッセイはとても慎重に書きたいので、応募内容が公開されたと同時に提出内容を確認して、いつも頭の隅には存在を置いておくようにしました。例えば大学出願「前」の夏や秋に応募する団体は応募要項が春などに公開されるので、夏前に構成を考えます。また大学出願「後」に応募する団体は春、もしくは夏というベストなタイミングに説明会などが開かれていました。少しでも応募する可能性があったら、直接職員や奨学生の方々とコミュニケーションをとり、雰囲気だけでも掴むなど、積極的に参加してみてください。
私は高校2年生のころから奨学金について調べ始め、3年生の夏休みから具体的に奨学金を応募するためにエッセイを書き始めました。そして、夏休みの終わりから秋にかけていくつかの奨学金に応募しました。また、高校卒業後にも1つ応募しました。
どの奨学金でも、「なぜ日本ではなく海外の大学に留学する必要があるのか」「そこでなにを学びたいのか」「なぜ自分がその機構から奨学金を受けるべきなのか」「自分がその機構またはその組織にどう貢献できるのか」を聞かれました。なので、まずは時間がある夏休みにある程度軸を考えてから、それぞれの要項に合わせて内容を書きました。
私は中学3年の時に、ある程度どういう奨学金があるのかの情報収集を行い、奨学金の条件と奨学金を取るためには高校生活をどう迎えるべきなのかを考えていました。そして高校1−2年の時に、自分は海外大学で何を達成したいのか、またそもそもなぜ日本の大学ではなく、海外の大学に行く意味があるのかなどの、ファウンデーション(基礎)となる質問に対して自分なりの答えをまとめていました。本格的に奨学金の書類を書き始めたのは高校3年生の夏でした。
奨学金によって締め切りの時期が違うため、それぞれの奨学金によってスケジュールは全く違います。最初に奨学金のためのエッセイを書き始めたのが8月で、それはちょうどCommon App(海外大学の願書)のエッセイを書き始めた時期とかぶっていました。そこから大学にアプライするためのエッセイ執筆と奨学金のためのエッセイ執筆は、常に並行して行っていました。
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Q. 大学受験対策との兼ね合いや、両立はどうしていました?
全ての奨学金は書類・エッセイを書く必要があります。個人的にはエッセイを書くのが好きだったため、大学受験の勉強(SATや学校の期末試験)の息抜きが欲しかった時にエッセイを書いていました!また、エッセイというものは書いている内容と全体の構造がとても大切なので、朝ご飯や昼ご飯を食べている時間や学校に向かっている時間をエッセイの内容と構造を考える時間にしていました。
奨学金のエッセイは、海外大学のエッセイと特に大きく異なることはないと思いますが、奨学金団体へのエッセイの方がより将来何をやりたいかを具体化させた気がします。もちろん大学のエッセイでも書いたのですが、より現実化させたプランや方向性、またその決定的理由などを鮮明にさせるのに磨きをかけました。
大学出願前に出した奨学金団体は提出書類の量が多かったので、結構両立に苦労しました。特に時間のない時は、私は長期にわたってコツコツ書くより一気に書いて文章に一貫性を持たせたいタイプだったので、確か丸々3日間、短期集中型で書き上げた気がします。出願後に準備を開始した財団は時間にもとても余裕があり、出願後ということで書きたい内容も明確に決まっていたので、負担なく数週間かけて納得のいくものが書き上げられた気がします。
大学受験対策との両立のしかたは、正直とても難しく、私も両立できていなかったというのが今感じていることです…! 私は奨学金がなければアメリカの大学には通えない、でもそもそも受からないと奨学金に合格しても意味がないという状況でした。なのでどちらかに重きを置くことはせずに、どちらも同じ比重で取り組んでいました。奨学金エッセイと学校アプライ用エッセイには共通して聞かれている部分が少なからずあると思うので、そこをうまく活用しながらどちらにも真剣に取り組むことは大切かなと考えています。
私は国内の大学を受験しなかったので、3年生の間は高校の授業中にできるだけ学校の勉強を終わらせて、その他の時間で奨学金のエッセイを書いたり、課外活動をしたりしていました。
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Q. 今だから言える、奨学金対策スケジュールの改善ポイントは?
私は、高校2、3年のころ、奨学金を申し込むのにはなにか特別な賞やたくさんの課外活動が必要だと思い、なにかしなくてはという焦りから、様々なプログラムに申し込んでいました。しかし、賞や認められるような活動は奨学金や大学入学の手段の1つとしてとれるものではなく、なにかに自分がうち込んだ結果としてとれるものだと気が付きました。自分がやりたいことに集中してそれをもっと真剣に取り組めばよかったと思っています。
大学出願の際にアーリーアクション(早期出願)をうまく活用していればな…と感じています。そうすると12月あたりは奨学金に集中するという状況を自ら生み出すことができるので、どっちつかずにはなりにくいかなと思います。
SATでなかなか目指していた点数が取れなかったため、エッセイを後回しにしてしまい冬休みがとても大変でした。改善ポイントは、SATを高校2年か高校3年の春に終わらせることです。SATを早く終わらせることにより、奨学金のエッセイ・書類を書く時間が増えて、ストレスも減ると思います。
スケジュールに関しては特に問題がなかったように思えます。やはり第一希望の奨学金財団に申し込む際、文章も丁寧に時間もきちんと割いて挑むと、努力は報われるので、皆さんも是非他のスケジュールを鑑みて予定を組んでみてください。
いかがでしたか?
高校生活や海外大受験対策と並行して準備する奨学金対策。決して平坦な道ではありませんが、奨学金のために考え、アウトプットすることは、大学受験との相乗効果や手応えも積み上げられると感じた先輩が多かったようです。自分にあった奨学金を見つけたら、逆算スケジュールを早めに組んでおくのが得策です!
※この記事でご紹介している内容は2020年10月12日現在の情報に基づいています。
※奨学金制度の内容、試験方法などについて、当時の先輩の状況と異なる場合があります。最新情報については、必ず各奨学金のHPなどをご確認ください。