海外大生体験談

どう対策した?自分らしさを伝える「アプリケーション(願書)」①

毎月「海外進学・留学ラボ協力隊」が書き下ろし原稿で、動画で入試や大学生活についてレポートをお届け。9月のテーマは自分の強み・個性を表現するための「アプリケーション(入学願書)」の書き方についてです。

海外大進学・留学を目指していよいよ本格的に準備を進める時に、「願書」はとても大きな存在ですよね。志望動機を考えたり、推薦状を準備したり、エッセイを書いたり…と準備時間もかなり比重を占めますし、“どんな風に準備を進めるべき?”“どんなエッセイの書き方がいいの?” と、内容に関しても考えることが多いはず。

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今回のテーマでは、海外に進学した先輩たちにどのように願書の準備を進めて、内容を工夫してきたのかをお話しいただきます。1回目は、アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)に進学していたYotaro S.先輩です。

 

 

自分らしさが一番表れるエッセイを印象的に工夫!
エッセイに時間をしっかりとれるようスケジュールを組みました

 


Yotaro S.先輩

アメリカ
マサチューセッツ工科大学 (MIT/Massachusetts Institute of Technology)卒業
ジョンズ・ホプキンズ大学(Johns Hopkins University)在学

 

 

志望校のアプリケーション、どうだった?

 

大学ごとにアプリケーション(願書)特色があるのは「エッセイ」
2校で9〜10個を提出しました

 

アメリカだと多くの学校でアプリケーション(願書)に関して採用しているのは、Common Application(Common App)。各大学に出願する際に共通願書として使用できるオンラインシステムです。なので、エッセイ以外の願書にあたる部分は基本的にはどの学校も共通ですが、その分、エッセイに学校の特色が表れます。

Common Appにも自由にテーマを設定できるCommon Appエッセイ(500-600語)があるので、Common Appエッセイ以外のエッセイを必要としない学校もあるようですが、学校別に独自のエッセイ提出がある場合があります。

私の場合、第一志望の一つであったStanford University(スタンフォード大学)では、独自のエッセイ提出がありました。テーマは「将来のルームメートへの手紙」、「自分にとって重要なこと」など、クリエイティブさを求められるエッセイを3~4個提出しました。

そして、同じく第一志望であったMIT(マサチューセッツ工科大学)はCommon Appを使っておらず、 “My MIT”という独自のシステムを運営していました。ここでは長いエッセイはなく、「学問以外の趣味」、「自分の失敗談」、「所属するコミュニティに貢献したこと」など100-200語の短めのエッセイを6個ほど提出しました。


願書提出までのスケジュールは?

 

高校2年生から準備を始め、最終的に20個のエッセイを執筆!

 

高校2年生のうちに行きたい大学を調べ始めて、アプリケーション内容を確認していました。その頃にTOEFLやSAT Subject Tests(Math2とBiologyを受験)などの試験を終わらせておきました。ただ、SAT本試に関しては納得がいく点数がなかなかとれなかったので、高校3年生の12月までもつれ込みました。

高校3年生の1学期目は課外活動等に時間を割いていましたが、9月中旬頃から本番に向けてエッセイを書き始め、何度も書き直しをした後、12月末にアプリケーションを提出しました。この3か月の間に受験した8校分のエッセイを全て書きましたが、没案となったエッセイの数も入れると全部で20個ほどのエッセイを書きました。


提出までのスケジュール、改善ポイントは?

 

エッセイをしっかり書くためにもSATを早く終わらせておけばよかったです

 

高校2年生から取り組んだ願書準備のスケジュールで最終的には自分には合っていたかなと思っていますが、 SATに関しては早く終わらせたかったというのが本音です…。願書提出に向けてエッセイをしっかりと詰めていく最終段階までSATの勉強を並行で行わなければならなかったのはとてもストレスでした。

また、エッセイに関しても、テーマについて考えや意見をまとめるブレストの作業や、より良い文章にしていくために少し書き出してみるといった作業はもう少し早めに高校2年生の終わりごろからでもできたのかなと思います。

早めにたくさんのアイディアを練っておくことでいざ受験となった時に多くのエッセイを書く時にストレスが減りますし、何より書いているエッセイが没になった時に新しいエッセイの種を書いて貯めておくことは、後々とても便利です。なので、その余裕を持たせるためにも早めに着手しておいた方が良いと思います。


完成までに苦労したことって?

 

自分だけでは準備ができない!意外に時間がかかったのは推薦状でした

 

アプリケーションで大変だったことの一つに推薦状があります。日本の大学に出す場合なら先生に推薦状を依頼して終わりといった感じですが、アメリカの大学を受験する際は日本語の推薦状を英訳しなくてはなりません。 私の場合は必要な推薦状が4通あったのですが、それぞれについて、英語科の先生に、英訳してもらうという作業をおこなわなければならなかったのでとても時間がかかりました。

気を付けたのはどこの作業を早く始めるかです。エッセイなどは自分が書き終われば提出できるのに対して、推薦状の依頼などは先生の都合に左右されるため、スケジュールが自分では完全にはコントロールできません。

TOEFLやSATなどのテストも開催時期によってスケジュールが制限されるので、同じような例の一つだと思います。このような自分だけでは調整しきれない部分について、高校3年生の1学期までにできるだけ終わらせることで、2学期にはエッセイに集中することができました。


どこに自分の「ウリ」をつくった?

 

エッセイは自分のユニークさを発揮できる機会!印象に残る書き方を工夫しました

 

私のアプリケーションの強みはエッセイに多様性を表現したことです。 エッセイは自分のユニークさを発揮できる貴重な場ですが、ありきたりなエッセイでは一日に何十人ものエッセイを読み審査をするアドミッションオフィサーの頭にはほぼ残らないでしょう。なので、私は自分の人間性をいかに印象に残る形で表現できるかに注力しました。そして、“伝えたい自分の人間性とは何か”を考え、伝えたいメッセージを決めた後は、“一番効果的に伝える方法は何か“を考えました。

例えば、リーダーシップを示せるユニークな体験をしていればそのエッセイは物語調のエッセイにしますし、 逆に自分のクリエイティブさを表したいのであれば、体験したことを描くよりも目に留まったもの(例えば、身近にあるキーホルダー等)からどこまで発想を飛ばせるのかを表現したり、または、クリエイティブに関しての自分の思考を書いたり…と、中身や文体もユニークにすることで印象に残るエッセイを書くことを意識しました。


~先輩の「自分らしさを伝える願書」アドバイス~

エッセイは、審査する人の気持ちを考え文章だけで伝わるかを意識することが大事

 

私がアドバイスできるとすれば、「審査する側の気持ちになって自分のアプリケーションをみる」ということでしょうか。アプリケーションは自分の経験や人間性を表す場ですが、読者を意識しないと正当な評価がもらえない可能性があります。

例えば、自分の思い入れのある受賞歴や活動歴を書いたとしても、アメリカ人であるアドミッションオフィサーにはその位置づけが分からないことがあるでしょう。そのような場合、各活動について日本に住んでいる人でなくてもその活動意義が分かる説明文をつける必要があります。

また、エッセイを書く際には、文章だけで伝えることを意識して、“日本での常識を持っていない相手にもメッセージ性が伝わるか”、そして、自分と対面で直接会ったことがない相手が“このアプリケーションの文面だけで 自分という人間を想像することができるか”など、客観的にアプリケーションを見つめることでよりよいものに仕上がると思います。


※この記事でご紹介している内容は2020年9月1日現在の情報に基づいています。

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