やっといてよかった!やっときゃよかった!英語対策 -「海外受験向け」の英語の勉強、いつ・何から始めた?-
毎月「海外進学・留学ラボ協力隊」が書き下ろし原稿で、動画で入試や大学生活についてレポートをお届け。7月のテーマは留学前に「やっといてよかった!やっときゃよかった!英語対策」です。今回は、「海外受験向け」の英語の勉強、いつ・何から始めた?」についてです。
海外大を受験する!と決めた人がまず気になることは、「海外大向けの英語対策ってどうやってスタートさせたらいいの?」というような、「英語の勉強法」ではないでしょうか。そこで今回は7人のラボ協力隊に、いつから・どのように勉強を始めたのか、国内大向けの英語対策と違いはあるのか、使ってよかった教材やツールを徹底的にうかがっていきます。
Michiru I. 先輩
アメリカ ウェルズリー大学 (Wellesley College)
TOEFL、SATの過去問を解いて間違えるポイントを分析しました
「留学向け」の英語対策は、進学を決めた高校2年生から開始しました。それまでも国際大会に出る準備や母校の英語のプレゼン練習をするうちに英語力は上がっていきましたが、本格的にTOEFLやSATの準備を始めたのは高校2年生の時。どちらのテストも過去問を解いて間違えるポイントを分析することの繰り返しですが、どうしてそのミスをしてしまうのかなどの根本的な原因を見つけないとなかなか直らないので気を付けてください!
海外進学に向けた勉強の仕方は日本の大学受験向けとは違いがあると私は思います。SATやTOEFLのReadingでは長文出題が主なので、高い単語力や読解力、そしてスピードが必要です。またSATでは古典的な小説文も問題に含まれるので、日本の大学受験では求められない読解力も求められるからです。
使ってよかった教材やツールは、”The Official SAT Study Guide”は言うまでもありませんが、それと共に”The Critical Reader”の”SAT Reading”や”Grammar”など分野ごとに分けた教材も一気に基本と忘れがちなポイントをおさらいできたので良かったです。
Yuki Y.先輩
アメリカ バックネル大学(Bucknell University)
リーディングなどの傾向をつかむため、徹底的に問題に慣れることから始めました
アメリカの大学の出願時に求められるSAT(日本でいうセンター試験のようなもの)の英文読解に関して言えば、日本の大学受験と比べて難易度がかなり上がると思いますが、根本的な対策に関して言えば同じだと思います。リーディングで出題される問題には一定の傾向があるので毎日欠かさず読解練習をして問題に慣れていきました。
海外大学進学を考えている人は、本来であればTOEFLやIELTSなどの外部の英語試験で一定のスコアを得てからSATの対策に移ると思うのですが、私はすでにIELTSの試験で必要な点数を取っていたのでSATの対策から始めました。とはいっても、SATの対策を本格的にし始めたのは高校3年時の春で、一般的には遅めのスタートだったと思います。最初、SATのリーディングをしたときはあまりの難しさに圧倒されました。アカデミックな英文の読解に慣れていなくて初めのほうは内容が全く分からないまま問題を解いていたので非常に煩わしかったです。それでもとりあえず毎日読解を進めていくと徐々に内容が把握できるようになり問題の傾向にも慣れていきました。SATのリーディングは5つのパッセージを65分間で解かなければなりません。その中でスピードと正確性を重視した読解が求められるので、練習では1パッセージを13分という制限を設けながら解きました。
使ってよかった教材やツールは、SATでは”Khan Academy”に大変お世話になりました!”Khan Academy”とは世界中で600万人に使用されているオンライン学習サービスです。無料でリーディングの文章が提供されている上に、間違った問題はAIが分析してくれ自分にあった問題が出題されます。夏は毎日”Khan Academy”の問題を解いていました。また、リーディングでわからなかった英単語は”Quizlet”という暗記アプリに登録して繰り返し暗記しました。
Ryosei O.先輩
アメリカ スワースモア大学(Swarthmore College)
英語で問われる国語力に対応してPersonal Essayのネタを探しました
帰国子女である私は、中学時代から海外大学への進学に興味を持っていましたが、高校2年生の時の文理選択の段階で海外大学への進学が現実味をおびました。ですので、高校2年生ぐらいから留学向けの対策を開始。特に国内大学受験向け勉強との違いで感じたのは、日本の大学受験は英語力を問われますが、アメリカの大学は英語で国語力を問われるところです。
最初はSAT・TOEFLを受験し始めて、大学に提出するPersonal Essayのネタを探し始めました。使ってよかった教材などは、“Khan Academy”の“Official SAT Practice” (オンライン上)、“Princeton Review”の”10 Practice Tests for the SAT”、”College Board”の”The Official SAT Study Guide”、”ETS”の”The Official Guide to the TOEFL Test”、”Compass Publishing”の”Mastering Skills for the TOEFL iBT”です。
Jennie E.先輩
アメリカ ウェズリアン大学(Wesleyan University)
表現力をつけるために様々なジャンルの本や記事を読みました
アメリカに「リベラルアーツ」という教育システムがあることを知り、「進学したい!」と思った高校2年生の頃から本格的に勉強を開始しました。日本の大学受験向けの英語は文法や的確さが求められる一方、留学向けの英語(特にアメリカ)はもちろん技能的な部分も問われますが、それより英語を利用した表現力が求められるところが大きな違いだと思います。
留学向けにスタートさせた英語の勉強法でやってよかったことは、様々なジャンルの本を読んで、作者がどのようにストーリーや情報を表現しているのかをちょこちょこと分析していたことです。また、ニュースのオピニオン記事を読んだりして、作者は英語を通してどう自分の意見を述べているのかを参考にしました。もちろんSAT・TOEFLを受けるときは、参考書や過去問に取り組み、技能的な英語も勉強していました。主に良かった教材は、”HuffPost Personal”、”TIMES Magazine”、”Princeton Review Reading and Writing Workout for the SAT”、”SAT Official Study Guide”、”Khan Academy”、それに有名な人の伝記です。
T.M.先輩
アメリカ ピッツァー大学(Pitzer College)
自分に足りない単語やリスニング、速読をとことん強化しました
留学向けに英語対策をし始めたのは高校2年生の時でした。既に1年間アメリカへ留学していたため、スピーキングについては対策をしませんでした。留学から帰国した高校2年生の夏から、TOEFL iBTの対策として頻出単語を覚えたり、リスニングの対策として音楽やラジオを聴いたりしていました。高校3年生では、主にSATの対策として速読を心がけました。
使ってよかった教材やツールは、SATには”The Official SAT Study Guide, Princeton Review”、TOEFL向けに単語は”TOEFL(R)テストボキャブラリー+例文3900”、練習問題は”Delta’s Next Generation TOEFL Test Six Practice Tests for the iBT”と”Official TOEFL iBT Test(青)”、”Official TOEFL iBT Test (赤)”を使っていました。試験本番直前は、”TOEFL Practice Online(TPO)“という中国の民間サイトで、スピーキングやライティングの練習をしました。オンラインのテストは有料ですが、本番と同じルーティーンで試験が受けられるため心の準備ができます。TOEFL iBTは受験料が高いので、一度TPOでスピーキングやライティングの添削を受けて感触を確かめることをおすすめします。
Y.S.先輩
東京大学(海外大進学と併願の上、国内進学を選択)
留学・海外向けの勉強や対策は自然と大学受験向けの勉強にもつながる!
海外大学進学を決心した高校2年生のころからSAT、TOEFLの対策を行いました。使ってよかった教材やツールは、英単語アプリの”mikan”や”Weblio”のクイズ・単語帳問題で、隙間時間に単語覚えるのにちょうどいいです。
後は、”Studyplus”でSATの試験時間や勉強時間を管理していました。 個人的に、海外大の英語勉強法も国内向けの勉強も違いはなく、同じだと思います。留学・海外進学向けの勉強をしていれば自然と国内向けもできるようになったからです。
Yuki H.先輩
アメリカ ブラウン大学(Brown University)
英語字幕でずっと動画を観ていたことがリスニング対策に役立ちました
中学3年生の時、とても僕は怠け者なので通っていた塾/ゼミでしか勉強といった勉強をしていませんでした。その代わり、英語字幕でずっと”Netflix”を見ていたのでリスニングには全く困らなくなりました。だから、机に向かって勉強することも大事だけど、自分の楽しみに直結できる勉強方法を見つけられると英語力がとても伸びると思います!使ってよかった教材やツールは、”Netflix”、Princeton Review”、”Khan Academy”でした。
日本の大学受験向けと海外進学向けでは勉強方法に違いがあると僕は思います。海外の大学がTOEFLのスコアを設けているのは、その人が大学で授業についていけて、議論に参加できるかを試されていると思うからです。なので、日本の大学受験のような将来論文を書けるようになるための英語とは違って、四技能全ての力が必要だと感じています。
※この記事でご紹介している内容は2020年7月7日現在の情報に基づいています。
※SATやTOEFLなど検定試験の実施状況は、新型コロナウイルスの影響により大きく変動している場合があります。今年度の最新情報については、必ず公式HPでご確認ください。